『ポケットモンスター ソード・シールド』の「ポケモンリストラ」問題についての所感

2019年6月30日ゲーム

『ポケットモンスター ソード&シールド』パッケージ画像(公式サイトから)
『ポケットモンスター ソード&シールド』パッケージ画像(公式サイトから)

ポケットモンスターの新作「ソード」「シールド」に関して、とある「仕様」がいまだかつてないほどに問題となっている。世界各地のポケモンファンがこの問題で騒いでおり、「炎上」の状態が収まる気配は一向に見えてこない。

これはいったいどういうものかと言うと、「ソード」「シールド」に多数のポケモンを連れて行くことができない、というものだ(しかも基準が不明で連れていけないポケモンの全容も判明していない)。そのため、一部のファンからは「互換切り」「リストラ」と称されている。さらに、Twitterでは#BringBackNationalDexなどというハッシュタグで問題提起している方が国内外を問わず大勢いる。

ちなみに、海外の公式サイトでは、つい先日、増田順一氏の名前で声明が発表されているものの、日本ではそういったものがなく、某ゲーム雑誌サイトのインタビューで触れているにとどまっている。

このことについて、私自身、一人のポケモンファンとして色々思っていることはあるし、Twitterでもここ数日あることないことツイートしている。けれども、これ以上追い続けようとなるとポケモン(というか制作会社のゲームフリーク)へのヘイトが募ってしまい、他の部分に支障が出てしまいかねない。なので、簡単にいくつか述べておくに留める。

 

ポケモンの「リストラ」について、現時点で判明している情報

  • ソード・シールド」も含めた今後の「本編作品」では、例外なく連れていけるポケモンが限定される。「Pokemon Home」を除き、全ポケモンが一つのソフトに集うことはない。
  • 「ソード・シールド」に登場しないポケモンであっても以後の作品で登場する可能性がある、と制作陣は言っているが、確約ではない(つまり、ポケモンによっては長期間にわたって登場しないことも考えられる)。
  • 「ソード・シールド」に登場したポケモンであっても、以後の作品において登場することが確定的というわけではない。

 

言いたいことはただ一つ。納期(発売日)は絶対に延期する方が良い

私個人のTwitterでは色々言ったけれども、結局のところ、全てのポケモンが出揃うようにできるまで発売を延期する方が絶対に良い。そうでもしなければ、私も含めて、国内外の多くのプレイヤー、ポケモンファンたちは納得しないだろう。

全てのポケモンが一つのソフトに集結できるというのは、今までポケモンシリーズにおいて虎の子として守り続けてきた部分であるし、何より海外戦略におけるキャッチコピー「Gotta Catch 'em All」に合致している。それがなくなってしまうのだから、各ユーザの失望の大きさと言ったら半端ない。

「一度決めてしまっている以上、発売は延期できない」という声もあがっている。けれども、たとえ見切り発車であっても、粗悪品・欠陥品を発売しても良いという理由にはならない。 納期をあまりにも重視してしまって取引先や顧客の信用をなくしてしまったとすれば、それこそ会社(ゲームフリーク)の存亡の危機となってしまう。

現状、ゲームフリークはポケモン以外に何の取り柄もない会社だけに、ここで事態を重く見ることができなければ、先行きは危ういと言っても差し支えないだろう。

 

性急に発売に踏み切ることなかれ

かつて、メディアミックス戦略に乗り遅れまいと発売を急いでしまった(ことがうかがえる)ばかりに「伝説のクソゲー」扱いされることとなったゲームが存在する。人気野球漫画「MAJOR」を原作とした「メジャー Wii パーフェクトクローザー」だ。

このゲームがいかに(悪い意味で)凄まじいかは、少し検索すればすぐに分かるだろうから、あえてここでは触れない。ただ一つ書いておくべきなのは、開発を担当した会社「ドリームファクトリー」は、その後ゲームに関わることがなく、消息すらほとんど分からないことになっている、という点である。

もっとも、当ゲームに関してはプログラマーがたった3人という開発資源の少なさもネタにされてはいたものの、それだから粗悪品が出てもいい、という理由にはならない。某所で散々言われているように、「クソゲーは出ない方が良い」のだ。

 

制作陣の対応の甘さ、拙さ

これだけならまだしも、制作陣の対応の拙さもあいまって、さらなる炎上を招いてしまっている。具体的には以下のような感じだ。

  • 任天堂の海外ゲームイベント「E3」における開発者インタビューまでの間、幾度も発表の場を設けられていたにもかかわらず、「リストラ」があるという事実を一切知らせていなかった。
  • E3のインタビュー動画公開後、およそ2週間にわたって、責任者の立場であるはずの増田順一氏・大森滋氏の両名のTwitterアカウントにおいて一切更新がなかった。
  • 増田氏は上述の声明公開後、ツイートを再開したが、その際に肯定的な意見(自分にとって都合の良いもの)のみにツイートを返し、そうでないものはまともな批判意見にすら一切返事をしなかった。
  • 大森滋氏のアカウントについても更新は再開したが、「リストラ」関係については口を閉ざしている。

これでは、ゲームフリークは既に「売り逃げ」をする気になっている、と取られても仕方がない。現状はTwitterでの騒動に留まっているが、Twitterを日夜利用している層はわずかであるため、発売以後に被害報告が相次ぐことになるであろうことは、容易に想像がつく(もちろん、今の状況が続けば、の話ではあるが)。

 

今のゲームフリークは、20年以上前に「伝説のクソゲー」として名を馳せた「デスクリムゾン」の開発会社「エコールソフトウェア」の、それこそ伝説的となった事後対応とは、まるで反対の動きをしようとしているように思えてならない。

 

最後に:予測できていたというのであれば、事前に策を打つのが筋

ゲームフリークを擁護する意見の一つに、「リストラが行われるのは予測がついていたことである、だから仕方ない」というものがいくつもあった。確かに、今や800種類以上ものポケモンをそれぞれデータ化し、モデルを作成しないといけない、というのは、傍目から見てもかなり厳しいことであるように思われる。

ただし、それは800種類以上もポケモンを増やした、いや、増やしすぎたゲームフリーク他公式サイドの責任でなくして、いったい何であろうというのか。新種のポケモンを作ることがなければ、新しいポケモンのファンができることもなかったし、そのファンが、該当のポケモンを次回作以降に連れて行けないと嘆き悲しむこともなかったのである。

今ならまだ間に合う。ゲームフリークには、できる限り多くのユーザにとって納得の行く結論を出していただきたい。時間はかかるだろうが、ここはしっかりと腰を据えて、討論に討論を重ねてほしいところだ(もっとも、それができないであろうという不信感も、炎上事件の一因となっているのだが)。

 

とある匿名掲示板に書かれていた文章が非常に素晴らしかったので、これを引いたところでこの記事の結びとする。

805 ななしのよっしん 2019/06/18(火) 10:23:46 ID: PIddbyra9b

ポケモンの規模が大きいから仕方ないとかいつかこうなるの分かってただろとか言われるけど
企業は10年先も見据えて動かんとあかんからこれまで何の対応も取らずに無責任にキャラ膨らませたゲーフリが100%悪い

引用元:ニコニコ大百科: 「ゲームフリーク」について語るスレ 781番目から30個の書き込み – ニコニコ大百科