【発売後情報あり】「ポケモン剣盾騒動」を追っているうちに、ゲームについて気がついてしまったこと

2019年7月21日ゲーム

『ポケットモンスター ソード&シールド』パッケージ画像(公式サイトから)

『ポケットモンスター ソード・シールド』(通称「SWSH」)にまつわる一連の騒動を取り上げた拙記事について、公開以来、実に多くの反応をいただいている。

私としては少々複雑な気持ちではあるものの、大勢の方々がご覧になってくださったこと自体は、感謝の意を申し上げたい。それだけ、一連の騒ぎについて大勢の人々が関心を寄せていることが伺えるということでもあるし、公開してしまっている以上は騒動が終わるまで見守っていきたい所存だ。

さて、上の記事を公開してからというもの、私自身の中で、ゲーム内容については心境の変化があったので、この記事ではそのことについて書くこととしたい。(なお、株式会社ポケモンを始めとする公式側の対応、言動がクソであることを撤回するつもりは全然ない

 

実際には「リストラ」はさほど大きな問題点ではなかった

今回の騒動の発火点は、上の記事でも述べているように「ポケモンのリストラ」である。これは非常に目立つ「機能削減」なので、国内外を問わず大きな騒ぎとなっている。特に海外ファンからの「悲痛な叫び」は今もなお続いている。

私自身も「リストラ」には反対だ。ポケモンシリーズにおいて今まで続けてきたことを止めるようなことがあっては、全員ではないにしろ、多くの人々が離れてゆくことは確実に予想できる。総人口が減ってしまえば、コンテンツが終焉に向かう可能性だって否定できない。

しかし、一方で「リストラ」を好意的に受け止める人も、やはりいる。当初、私はこういう人たちの意見を受け入れられずにいたのだが、「過去と一線を引き、一度ポケモンというゲームそのものをリセットする」という意味では、なるほど、良い試みなのかもしれない。それでも「一部のポケモンが連れていけない」という状況が覆るわけではないのだから、今までシリーズをリピートしてきた方々を中心に、どうしても否定的に捉える人が出てしまうのだが。

ただ、掲示板やSNSで、ポケモンの「リストラ」について、あるいは「メガシンカ」や「ダイマックス」について、どうのこうのと殴り合ったところで、「真の問題点」には着さず、焦点が当たることは二度とない。このことに、私はつい最近気づいてしまったのである。

それでは、その「真の問題点」とは、いったい何だろうか。

 

真に問題視しなければいけないのはグラフィック類の拙さ

「リストラ」発覚後、主に海外ファンによるこの上なく熱心な検証により、グラフィックやモーションについて数多くの問題点が指摘されるに至った。そして、先日新しいPVが公開された折にも、やはり問題点を複数見つけ出し、ネットで全世界に知らしめようとしている。この問題点の数の多さは既に半端ないもので、ほんの2、3行で収まるレベルでは到底ない。種類についても、「地上に存在しない木がなぜか水面に映っている」といった誰にでも分かるものから、「男性NPCから放たれたモンスターボールの動きが奇妙」というような注意深い観察が要求されるものまで、実に様々である。

このことが意味するのは何か。言うまでもない、「ポケモンSWSH」の開発体制が非常に杜撰である証拠に他ならない、ということだ。

グラフィックやモーションの類は、誰の目にも触れる部分であり、制作会社の資金力や開発力が露骨に出やすい分野でもある。グラフィックに予算や労力を割くようにすれば、それだけ良いものが出来上がるものだろう。逆に、予算や工数などをケチればケチるほど、不自然な描写、稚拙なグラフィックが目立つようになる。

商業作品としてのゲームは、お金を出してくれた人が楽しめるものとして開発を進めなければいけない。それ故、どんな事情があろうとも、自然に見えるだけの描写をすることは不可欠である。音楽やエフェクトはもちろん、グラフィック類にも相応の手間はかけなければならない。どれだけの開発工数が必要かは対応ハードによって様々だろうが、決して手間を省くようなことがあってはならないのは、各ハードともに共通している。

「ポケモンSWSH」は、ゲーム中で良い部分を集めたであろうPVでさえ、様々な描写不足等が露呈してしまっている。かの有名なWiiのクソゲー『プロゴルファー猿』でさえ、ファミ通のクロスレビューで与えられた惨憺たる評価を感じさせないほどのしっかりとしたPVを公開していた。このことを考えると、ポケモンSWSHにおけるグラフィック描写不足の露呈はとんでもない話だ。少なくとも、事前情報そのものの酷さとしては、「見えている地雷」として有名な『エルヴァンディアストーリー』や『時と永遠 ~ トキトワ ~』などと同じレベルにあると言って良い。

必要とされる部分にすらお金や人員、時間等を費やしていない(ように感じられる)以上、出来がさらに不安視されるようになるのも、無理のない話である。

 

「リストラ」どころの話ではない爆弾が存在する可能性

最も必要とされる部分の一つに投資すべきものが、必要なだけ投資されているわけではない。この可能性を存分に匂わせてくれている以上、「他の部分についても投資しきれていない」と考えるのが妥当だ。そして、これは何も今作「SWSH」に限った話ではないことから、尚更不安になってくる。

過去の話になるが、「サン・ムーン」(通称「SM」)や「Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ」(通称「LPLE」)において、プレイ中何度も処理落ちしてしまうという報告が、ネット各所で相次いでいたことはご存じだろう(特に「LPLE」の「トキワの森」における処理落ちは有名)。もしかすると「SWSH」についても処理落ちの改善に向けての企業努力がなされていないかもしれないし、以前よりもひどくなっていることさえ考えられる。

もう一つ例をあげよう。「ウルトラサン・ウルトラムーン」(通称「USUM」)は、いわゆる「御三家」ポケモンを選ぶ場面で、「ニャビー」を選択した折にゲームが停止してしまうという極めて深刻なバグ (通称「ニャビーバグ」) があったことで悪目立ちしてしまった(後にアップデートで修正された)。「SWSH」においても、グラフィックで開発工数等の少なさが既に露呈してしまっている以上、同じようなことが繰り返されたとしても、決して驚けない。デバッグ処理が十分になされていないとは、容易に想像できてしまう。

そして、上のような「ゲームの進行に著しい支障が出るトラブル」すら生ぬるく感じられるくらいの、恐ろしい爆弾を抱え込んでいる可能性もある。ストーリーが以前よりもさらに「雑」になっていることかもしれないし、ゲームシステムの作り込みが酷くなっていることかもしれないし、見るものを抱腹絶倒させるほどの奇妙なモーションかもしれない。あるいは、テストプレイ等による見直しもなされないまま、『RPGツクールMV Trinity』も真っ青の超絶バグが一切タッチされずに終わっている、ということかもしれない(上の「ニャビーバグ」でさえ、本来ならデバッグ時点で確実に対処されているべきものであるのだが)。

このような懸念材料がどうなっているかは、実際に蓋を開けてみるまでは分からないことである。とは言っても、既にグラフィック面で不安要素が尋常でないほどに出てきてしまっている以上、かつてないほどの恐怖を感じている方もいらっしゃることだろう(私もその一人である)。

いずれにせよ、当分の間は、新しい情報が出てくるまでは待ちたいところだ。

 

【発売後の情報】「答え合わせ」(2019/11/15追記)

案の定、「リストラ」が生ぬるく感じられるほどのバグ・不具合の数々が、Twitterなどで相次いで報告されている。

  • DL版をダウンロードしたときに、「データが破損している」ということで再ダウンロードを迫られる
  • オートセーブありなしにかかわらず、プレイ中に前触れなくエラーが発生。セーブしていない場合は当然データがおじゃんに
  • エラーの出るタイミングによっては、SDカードのデータがまるまる吹き飛ぶ恐れあり(しかもどんな会社のSDカードでも発生するリスクがある)。 ※当初はオートセーブが原因ではないかとも言われていたが、こちらも無関係の模様
  • 場合によってはスイッチ本体が機能停止してしまうおそれまである(SDカードを差していない場合に起こるらしい)
  • 序盤の重要キャラのセリフに脱字がある(しかも結構目立つ)

これらのような不具合は、当然のことながら、テストプレイをしていれば絶対に分かる類のものである(セリフの脱字は特に)。ゲームフリークの現在の制作体制がいかに杜撰か、これで日のもとにさらされることとなった。特に、SDカードのデータ損失バグについては、害悪視されることの多い「ゲハブログ」でも取り上げられる始末だ。

もちろん、早急に対応しなければ、ゲームフリークの信頼はガタ落ちすることだろう。これから多数の被害報告が上がることは容易に想像がつく。これ以上被害者を増やさないためにも、バグの公表と早期のアップデートが望まれるところだ。

 

まさか、世界的ブランドのゲームが、「有償α版」を出すことになろうとは思ってもいなかった。上に書いたようなことが現実になってしまったので、私としてもかなり頭を抱えている。任天堂のお偉いさんの方々も、おそらくは戦々恐々としつつ週明けを迎えるのではないだろうか。

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