ありがとう、ゲームフリーク!

2019年11月15日ゲーム

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とうとうこの日が来てしまった。ゲームフリークが満を持して制作にあたった『ポケットモンスター ソード・シールド』が、本日、いよいよ発売となった。

『ポケットモンスター ソード・シールド』公式PV

このゲームについては、およそ5ヶ月前から大いに話題となっている。新しい要素も盛りだくさんということで、期待している方々も多いことだろう。シンボルエンカウント方式を採用した「ワイルドエリア」、ポケモンと一緒にキャンプ気分を味わえる「ポケモンキャンプ」などなど、早く遊んでみたいものがいっぱいだと思われる。

それなのに、このゲームのことを悪く言う人たちがいる。特に、この『ソード・シールド』に登場しないポケモンがいるという事実が明らかになったところから、バッシングが酷くなりつつある。これは、いったいどういうことだろう。

ゲームなんて、個人個人で楽しめればそれで良い。発売前に出された情報を見て、面白そうだったら買えば良いし、嫌だと感じたなら買わなければ良いのだ。試しに買ってみるのもアリな話で、それで面白くなかったら今後手を出さなければ良いだけ。兎にも角にも、誰も彼もが購入もしくは不買を強制されるいわれはない。

だから、ポケモンの1匹や2匹が出なかったところで、ゲームとして面白いのであれば、総合的に見れば「良いゲーム」ということになる。もちろん、出なかったポケモンたちのファンは悲しむことになるかもしれない。しかし、ニンテンドースイッチ」というゲーム機のソフトの開発が、従来の携帯ゲーム機ソフトの場合よりも困難であることを考えると、致し方ないのでは、とすら思える。

この困難さにもかかわらず、ゲームフリークという制作会社、2018年11月には『Let’s Go! ピカチュウ・イーブイ』というゲームを発売しているし、今日は『ソード・シールド』を発売している。すなわち、「スイッチ」のポケモンのゲームを2年連続で発売している、ということになる。更に言えば、3DS時代の『サン・ムーン』『ウルトラサン・ウルトラムーン』のことも考えると、ポケモンのゲーム自体は4年連続での発売だ。新作ゲームが発売延期を繰り返すという暗いニュースが相次いでいる昨今、こういった芸当は並の企業ならば到底なし得ないことだろう。

そういうところからだろうか、Twitterでは「#ThankYouGameFreak」(ありがとうゲームフリーク)という声があちらこちらから上がるようになり、『ソード・シールド』のディレクターである大森滋氏も感謝のツイートを述べるに至っている。

だから、長らくポケモンのファンであり続けてきたこの私も、今この場で、ゲームフリークに対して言いたいと思う。

「ポケモンという一大コンテンツを築き上げ、さらには今日まで牽引してくださり、本当にありがとうございます!」

おそらく、多くのファンの皆様方も、同じ思いでいらっしゃるのではないだろうか。だから、今日というめでたい日くらいは、お互いに祝杯をあげようではないか。

 

さて、上で私は「この作品で登場しないポケモンがいる」と書いた。これは、もう皆さんもご承知の通りだと思う。幸いなことにネイティオは登場する予定とされている一方、例えばムウマージについては未だに吉報が入らない。「ガラル地方にふさわしいかどうか」というような、解釈次第でどうにでもなる基準により、ポケモンの「選別」が行われてしまったのは確かだ。

私は、ネイティオとキャンプできるのは嬉しいけど、ムウマージともキャンプしたいと思っている。ネイティオと一緒にカレーを食すことはめでたいけど、できればムウマージともカレーを食べたい。ネイティオが私にとって大事な仲間であるのと同じように、ムウマージも私にとっての大事な仲間だ。どちらが大事かなんて、決められるはずがないだろう。

「ポケモン」というゲームは、自分の好きなポケモンが6匹揃ってこそだ。一番の切り札というのは確かにあるが、彼(彼女)だけを優遇するわけにはいかない。アカデミー賞に主演部門だけではなく助演部門もあるように、悟空やベジータだけでなくヤムチャやクリリンも出てこその『ドラゴンボール』であるように、脇役あってこその主役なのだ。「脇役」抜きの冒険なんて、つまらないだろう?

そう考えると、納期や見栄を優先してしまったがばかりにポケモンが1匹でも2匹でも「犠牲」にされてしまったのであれば、それはもう、そのポケモンのファンの方々にとっての「ポケモンとの旅」は終わりを告げることになる。ポケモンの「犠牲」が増えれば増えるほど、離脱する人の数は増えてゆくことだろう。私自身、ムウマージのいない旅なんて考えられないから、登場が確定するまでは『ソード・シールド』は買わないつもりだ。

もちろん、ゲームとしては面白いのかもしれない。しかし、いくらゲームが面白かったところで、ファンの方々から顰蹙を買うような要素が目立ってしまっては、売上も伸び悩むことだろう(開発会社は異なるが、『ポケットモンスター 不思議のダンジョン マグナゲートと∞迷宮』の売上不振のことを忘れたとは言わせない)。そうなると、ゲームフリークという会社の先行きも危うくなってしまう。だが、これはゲームフリークの決断により出てくる結果、端的に言えば「身から出た錆」に過ぎない。

 

ところで、実は私、先月に、大阪心斎橋の「ポケモンカフェ」に立ち寄ってきた。予約はしていなかったものの、キャンセル者があったということで、無事に入店することができたのである(ポケモンカフェは原則予約制)。

そこで注文したのは、「ネイティオ」のラテアートの描かれたカフェラテ。

「ポケモンカフェ」のネイティオのカフェラテ(アイス)

大好きなポケモンのラテアートというだけあって、一人舞い上がりそうになっていた(さすがに年甲斐もないので控えていたが)。

肝心の「ポケモンカフェ」店内は、若い方々や家族連れの方々を中心に賑わいを見せていた。『ソード・シールド』関連の騒動とは無縁の世界が、そこには確かにあった。皆さん、本当に至福のときを過ごされていたように思う。

そう、昨今の騒動のことさえ知らなければ(いや、たとえ知っていたとしても)、ポケモンは私たちにとって相棒のような存在であり続けるのだ。今までもそうだったし、おそらくはこれからも、夢と希望の世界が崩れ去るまでは、そうあり続けることだろう。

 

これから先、「ポケットモンスター」というコンテンツがどうなることか、分かったものではない。しかし、私は「ポケモンカフェ」で体験したような和やかな空間こそが望ましいものであるように思っているし、できれば継続してもらいたいと思っている。

それなのに、生みの親であるはずのゲームフリークが、「クオリティ向上」の名の下に、「ポケモンのリストラ」や「キョダイマックス」など、様々な方面から「テコ入れ」をしようとしてくれている。ポケモンは既にゲームフリークだけのものではなくなっているにもかかわらず、面白半分にコンテンツを弄くりまわしている。これでは、子供の自立を頑なに認めようとせず、自分の価値観ばかりを押し付けてコントロールしようとする親のようなものだ。

だから、改めて、私はゲームフリークの方々に、こう伝えたいと思う。

「20年以上もの長きにわたってポケモンを牽引してくださり、本当にありがとうございます。ただ、今やあなた方のおかけになった魔法はもう効き目がなくなってきているようです。したがって離れることにします。今までありがとうございました、この大嘘つきめ!」

 

さあ、ゲームフリークから気持ちだけでも離れるためにも、祝杯をあげよう。

 

追記

発売後に判明したバグの数々があまりにも酷すぎて、もはや「リストラ」どころの話ではなくなってきた。

ともあれ、「最強のポケットモンスター」などという謳い文句がどれほどの誇大広告か、これではっきりしたことだろう(バグの致命的度合いで言えば、確かに最強だけれども)。