【乗車記】木次線のトロッコ型観光列車「奥出雲おろち号」に乗ってきた(木次←→備後落合)

2019年11月24日鉄道

木次駅に停車中の観光列車「奥出雲おろち号」

先日、木次線のトロッコ型の観光列車「奥出雲おろち号」に乗車してきたので、このことについて書いてみることとしたい。

 

列車概要

ヘッドマークのついた動力車(出雲坂根駅にて)

毎年4月から11月まで、土日祝を中心に運行される、トロッコタイプの観光列車。始発駅から終着駅までの所要時間は、木次駅から備後落合駅まで(往路)が2時間30分程度、備後落合駅から木次駅まで(復路)が3時間程度。なお、木次駅と備後落合駅の間に関しては、通過駅の設定はない。

基本的には木次駅と備後落合駅の区間でのみの運行となるが、日曜日や祝日などの特定日は、出雲市駅から宍道駅を経由した乗り入れも行われる(片道のみ)。出雲市駅から木次駅までの所要時間は約1時間で、木次駅でおよそ25分停車した後、平常ダイヤと同時刻に発車する。

座席は全席指定制で、定員は64名。そして、観光列車でありながら指定席の料金が非常に安い(普通車扱い)。行楽シーズンには観光客向けのパッケージツアーが企画されることもあるため、席がすぐに埋まってしまうこともある。予約はお早めにどうぞ。

 

車両の編成について

トロッコ列車

「奥出雲おろち号」のメインとなる車両。往路では、この車が先頭を走っている区間が多い (例外は三段式スイッチバックの2段目のみ)。

風光明媚な木次線沿線の風景を間近で見ることができるとあって、多くの乗客がこの車両に乗ってくる。レトロな内装も自然によく調和したもので、奥出雲の観光に華を添えてくれること、間違いなしだろう。

当然のことながら、空調はきいておらず、雨や風の影響をもろに受ける。それどころか、走行中は風がよく入り込んでくる。そのため、この車両に乗るときは、切符が飛ばされないように、細心の注意を払っておく必要がある(車内改札時以外は極力外に出さないようにすること)。また、秋後半はかなり冷えるので、防寒対策はしっかりと行うようにしておこう。

 

控車

真ん中の車両。トロッコ列車と異なり、空調設備は整っている。気分が悪くなったり、暑さや寒さを感じるようであれば、この車両にて憩うと良いだろう。

なお、座席の指定番号はトロッコ列車と共通のため、注意すること(自由席ではない)。

 

動力車

動力設備を担う車両。復路の場合、この車両が先頭を走っている区間が多い(例外は三段式スイッチバックの2段目のみ)。

 

目玉中の目玉:出雲坂根駅~三井野原駅

この列車における一番の目玉の区間は、何と言っても「三段式スイッチバック」と「奥出雲おろちループ」の両方を目の当たりにすることができる、出雲坂根駅と三井野原駅の間であろう。

 

三段式スイッチバック

2段階目と3段階目のスイッチバック箇所となる信号所。手前に見えるのは2つの信号とポイント切替

日本に3つしか現存しないとされる「三段式スイッチバック」。本州では、奥出雲おろち号の走る木次線のみが該当している。

スイッチバックの箇所は以下の2つ。

  • 出雲坂根駅構内
  • 出雲坂根駅と三井野原駅の間の信号所

特に、信号所においては、線路のポイントが切り替わるところを間近で見ることができる。めったに無いチャンスなので、ぜひとも目に焼き付けておきたい。

また、3段階目の線路からは、2段階目および1段階目の線路を見通すこともできる(1段階目はかなり分かりづらいが)。逆に言えば、1段階目の線路(あるいは出雲坂根駅)からは3段階目の線路を走る列車を目にすることも可能だ。

なお、この性質のため、出雲坂根駅では往路、復路ともに長時間停車する。良いトイレ休憩にもなるので、このチャンスは逃さないように。

 

奥出雲おろちループ

奥出雲おろちループにつながる橋「三井野大橋」(トロッコ車両から望む)

出雲坂根と三井野原との間は高低差が100m以上あり、これを抜けるために築き上げられたループ橋の名称が「奥出雲おろちループ」である。奥出雲おろち号は、高いところ(3段階目)と低いところ(2段階目)の2箇所から、このループ橋を間近で見ることができる。

三段式スイッチバックの最中、偶数番台の車窓から目にすることができるので、ぜひチェックしておこう。特に、3段階目では「道の駅 奥出雲おろちループ」も同時に見ることができる。かなりの絶景なので見逃さないように。

 

乗車した感想

「奥出雲おろち号」乗車記念ポストカード(車内にて配布)

今回は往路、復路ともに乗車した。備後落合駅での待ち時間も含めると、総所要時間はおよそ6時間。けれども、時間が経つのがあっという間だったように思う。

道中、私はずっとトロッコ列車の方に乗車しており、冷えた風が絶えず入り込んでくる状況にあった。そのため、寒さを感じながらの観光にはなったのだが、それでも沿線の風景の良さや同乗のガイドさんの軽妙な語り口に心を奪われてしまっており、乗車中はさほど気にはならなかった(後で疲れがどっと押し寄せてきたけれども)。

実のところ、この列車の名前自体はずっと前から知っており、一度は乗ってみたいと思っていた。今回、その願望をようやく成就させることができたので、感無量といったところである。惜しむらくは、紅葉の時期よりちょっと早くなってしまった、というところ。今がちょうど見頃だろうから、来年こそはこの時期を逃したくはない、と思っている次第。

ところで、この列車は運行開始から20年が過ぎている。さすがに、車両に劣化している部分があったのは否めなかった。奥出雲地方の貴重な財産ではあるものの、この先どうなることか、少し心配になってくる(最近廃線になった三江線のこともあるだけに)。

 

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